World Marathon Voices 世界から見た東京マラソン TCSロンドンマラソンレースディレクター Hugh Brasher

東京マラソン2027 20回記念大会に向けたInterview Relay特別企画「World Marathon Voices」。

Abbott World Marathon Majors(AbbottWMM)のレースディレクターや関係者へのインタビューを通して、世界から見た東京マラソンの魅力や価値、そして未来への期待をお届けします。

今回は、TCSロンドンマラソン レースディレクターのHugh Brasherさんに、東京マラソンが持つ価値やTCSロンドンマラソンとの共通点・違い、そしてAbbott World Marathon Majors(AbbottWMM)において果たす役割や、未来への期待について伺いました。

Participants react as they cross the finish line at The Mall during the TCS London Marathon on Sunday 26th April 2026.


Photo: David Cliff for London Marathon Events

For further information: media@londonmarathonevents.co.uk

Q1 東京マラソンの価値について

レースとしての東京マラソンをどのように捉えていますか?

東京マラソンは日本の歴史と文化が深く息づくレースであり、マラソンという競技に対する、心からの愛着とリスペクトが感じられる場所だと思います。

他の主要なマラソン大会と比べて、この大会ならではの魅力は何ですか?
具体的なご感想やご経験をお聞かせください 。

世界の主要なマラソン大会(AbbottWMM)にはそれぞれ独自の空気感がありますが、東京の雰囲気には日本らしさがそのまま表れています。それは、過去を大切にしながらも未来を見据え、和の精神やお互いを思いやる気持ち、そして派手さはなくても確かな質の高さがある、そんな日本の文化です。

Q2 ロンドンマラソンとの関係性について

ロンドンマラソンと東京マラソンとの間に、どのような類似点や相違点があると思いますか?あなたから見て、それぞれの大会が特別である理由は何だと思いますか?

ロンドンマラソンと東京マラソンの一番大きな違いは、チャリティへの取り組みです。これは私たちの大会にとって、なくてはならないとても大きな柱になっています。

実は、参加するランナーの約75%が、チャリティのために寄付を募りながら走るんです。2025年だけでも、ランナーの皆さんを通じて8,730万ポンド(約170億円)以上もの寄付が寄せられました。1981年の大会開始からの累計額は、なんと14億ポンド(約2,800億円)という驚くべき数字になっています。その一環として、ユニークな仮装をして走るランナーがたくさんいるのも、ロンドンならではの光景です。

A participant dressed as a Radox shower gel bottle and a participant in a WellChild mascot costume take part in the TCS London Marathon on Sunday 26th April 2026.


Photo: Kieran Cleeves for London Marathon Events

For further information: media@londonmarathonevents.co.uk

一方で、2つの大会の最大の共通点は、地域の人々をはじめ、国内や世界中から集まる多様な人たちを一つに結びつけている点です。 そこで生まれる調和や一体感、お互いの繋がりといったものは、マラソンという競技ならではの特別なものです。同じ目標を持った、普段は出会うことのない人たちと一緒に、大変だけれど意味のあることに挑む。そんな風にみんなで心を一つにする瞬間は、生きている喜びを実感させてくれますし、今の社会にこそ最も求められているものだと強く感じています。

Q3 世界のマラソン界における役割

東京マラソンがAbbottWMMの一角を占めることを含め、世界のマラソン界においてどのような役割を果たしていると考えますか?

東京マラソンは、AbbottWMMの中で本当に大きな、なくてはならない役割を担っています。アジア大陸を代表する大会であるという分かりやすい理由はもちろんですが、それよりも重要だと感じているのは、東京マラソンが持つ「相手を敬う心」「周囲との調和」「本質的な質の高さ」といった文化的な価値観の素晴らしさです。

これらの価値観は東京マラソンの根底にしっかりと息づいているものであり、同時に、AbbottWMMという組織全体にとっても、今まさに求められている大切なものだと感じています

Sabastian Sawe (KEN) leads Jacob Kiplimo (UGA) as they pass the London Eye in the Elite Men race during the TCS London Marathon on Sunday 26th April 2026.


Photo: Kieran Cleeves for London Marathon Events

For further information: media@londonmarathonevents.co.uk

Q4 将来への期待

東京マラソンの今後の発展についてどのような期待をお持ちですか?

まず、私は東京マラソンに「こう変わってほしい」と求める立場にはない、ということを添えておきます。その上であえてアイデアを挙げるとすれば、ウェーブスタート(時間差スタート)を導入してより多くのランナーが参加できるようにすることや、コース途中の関門閉鎖時間を少し緩和することでしょうか。

大会がもっとインクルーシブな場所になり、たくさんの人に「マラソンを走ってみよう」「健康的な生活を送ろう」と思ってもらえるきっかけを作ることができれば、社会全体がより良くなっていくはずです。

東京マラソンがその価値をさらに高めるためには、何が重要になるとお考えですか?

これはとても難しい質問ですね。何がベストであるかは主催者の方が一番よく分かっていらっしゃいますし、外部の人間が口を出すことではありませんから。 すぐに思いつくことは、やはりイベントの規模を大きくすることです。

新しいスタート方式(ウェーブスタートなど)を取り入れたことで、世界の大規模なレースは以前に比べて格段に定員を増やすことができるようになりました。東京マラソンへの出場を望む声は非常に高いですから、その熱い想いに応えて大会の規模を拡大していくことは、間違いなく素晴らしいことだと思います。

東京マラソンへの想いや、これからへの期待を動画でもご覧ください。

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