インタビューリレー

東京マラソンを通じて生まれたつながりのストーリー

マラソンが「受け継ぐもの」へと変わった瞬間 父と息子のつながりのストーリー

マラソンが「受け継ぐもの」へと変わった瞬間 父と息子のつながりのストーリー

「東京マラソンを通じて生まれた“人と人のつながり”のストーリー」をテーマにお届けするインタビューリレー 2nd Run。

今回は、病気の父が走れなかった東京マラソンを自分が走り、その一歩一歩を父とつながっている証として踏みしめたいと願う、ごーすーさんの「父と息子のつながりのストーリー」を紹介します。

父から受け取った想いを、自分の足で前に進めたい

私の父は10年ほど前、東京マラソンに当選しました。長年ランニングを続けてきた父にとって、東京マラソンは特別な舞台でした。

しかし、本番を前に病気が重なり、医師から走ることを止められました。スタートラインに立つことなく、父は「仕方ないな」とだけ言い、エントリーの権利を手放しました。その言葉の裏にあった悔しさを、当時の私は深く想像できていなかったと思います。

その後、私自身が走るようになり、マラソンの厳しさと、同時に父が積み重ねてきた時間や、スタートラインに立つことへの覚悟を、初めて自分のこととして理解できるようになりました。ただの憧れだったマラソンが、「受け継ぐもの」へと変わった瞬間でした。

それ以来、走ることは記録や結果だけのものではなくなり、その一歩一歩が、父との会話であり、同じ道を進んでいるという実感になっています。父とのつながりが、私を走らせ、私自身の世界を広げてくれました。

だから、父が立てなかったあの東京マラソンのスタートラインに、今度は私が立ちたい。それは父の代わりではなく、父から受け取った想いを、自分の足で前に進めるためです。42.195kmの一歩一歩を、父とつながっている証として踏みしめたいと思います。

「挑戦する背中」を、今度は私が息子に見せる

東京マラソンの魅力は、走る人だけでなく、想いを託す人も同じ時間を共有できるところにあると思います。沿道には数えきれないほどの応援と、それぞれの物語が重なっています。

当日は、父も応援に来てくれる予定です。かつて自分が立つはずだったスタートラインを、今は沿道から見守る立場として迎える。その姿を想像すると、この大会が持つ特別な意味を強く感じます。

走る私と、応援する父。

立場は違っても、同じ東京の街で、同じ時間を共有しながら42.195kmをつないでいく。その一体感こそが、東京マラソンならではの魅力だと思っています。

東京マラソンは、一人の挑戦でありながら、その先に続くつながりを生み出す大会です。当日は、父の隣で、まだ小さい息子が一生懸命に手を振ってくれるはずです。走る意味も、42.195kmの長さも分からないかもしれません。それでも、目の前を走る私の姿は、何かの記憶として息子の中に残ると信じています。

父から受け取った「挑戦する背中」を、今度は私が息子に見せる。

走る人、応援する人、そしてそれを見つめる人へと、想いがつながっていき、次の世代へと受け継がれていく。その中心にあるのが東京マラソンだと思います。

この大会を通して、挑戦することの価値と、つながりが生む力を伝えたいと考えています。

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