インタビューリレー
東京マラソンを通じて生まれたつながりのストーリー
「たった一言の励まし」が持つ大きな力 がんと闘う日本の子どもたちとのつながりのストーリー

「東京マラソンを通じて生まれた“人と人のつながり”のストーリー」をテーマにお届けするインタビューリレー 2nd Run。
今回は、「ゴールドリボン・ネットワーク」へのチャリティを通じて東京マラソンが癒しとなったIdoさんの「がんと闘う日本の子どもたちとのつながりのストーリー」を紹介します。
日本の子どもたちから届いた3通の手紙
私にとって初めての東京マラソンは、特別な意味を持つ大会でした。ニューヨークに住むご近所の親しい友人と一緒に走り、友人や家族も東京まで来て応援してくれました。それは単なるレースではなく、人生を共に分かち合う体験となったのです。
また、その最初の東京マラソンでは、がんと闘う子どもたちを支援する「ゴールドリボン・ネットワーク」のための募金活動も行いました。
それから間もなく、私は頭部の大きな手術を2度受けることになりました。一時は、もう二度と走れないかもしれないと思ったこともあります。手術後、私はニューヨークからゴールドリボンの子どもたちへ、ビデオメッセージを送りました。強くあること、自分を信じることを伝えたかったのです。
すると、日本の子どもたちから3通の手紙が届きました。
ひとりの男の子(オリバー)は、自分も頭部の開頭手術を受けたこと、そして私と同じように走ることが大好きだと書いてくれました。
別の子(マホさん)は、私の動画を見た日に退院したばかりで、そのメッセージから力をもらったと伝えてくれました。
また別の子は、私の言葉が心に響き、前向きに生きる助けになったと書いてくれました。

私自身の「癒しの物語」の一部
私は胸がいっぱいになり、深く心を動かされました。彼らは、マラソンとは比べものにならないほど大きな困難と闘っているのに、逆に私に力を与えてくれたのです。
2度目の脳の手術から6カ月後、私は再び東京に戻り、東京マラソンを走りました。それは、私にとっての「復帰マラソン」でした。もう自分のためだけに走っていたのではありません。彼らからもらった強さと、この大好きな国で再び自分の足で立てたという充実感を胸に、走っていたのです。
このつながりは、私にとってのランニングの価値観をより強いものにしてくれました。
ランニングは、タイムや結果、メダルだけのものではありません。
ランニングは、会ったことのない人同士をつなぐことができます。
ランニングは、力を与えることができます。
そして、力を受け取ることもできるのです。
回復の途中にあった私も、決して一人ではありませんでした。世界の反対側に、私とつながっている誰かがいたのです。
頭部の手術を乗り越え、再び東京を走ったとき、私は彼らの言葉を胸に抱いて走っていました。その想いは私をより感情豊かにし、より感謝深くさせ、そして「たった一言の励まし」がどれほど大きな力を持つのかを改めて気づかせてくれました。
東京は、私の人生において単なるマラソンではありません。それは、私自身の「癒しの物語」の一部なのです。
国や背景、人生を越えて、人と人をつなぎ続ける東京マラソン
東京マラソンの体験をSNSでシェアした後、これまで一度も会ったことのない方から、Instagramで連絡をもらいました。彼は日本と外国にルーツを持つハーフの方で、私の東京マラソンの動画に心を動かされたと伝えてくれました。ただ、どうやって東京マラソンにエントリーすればいいのか分からなかったそうです。
私は、抽選制度やチャリティ枠、エントリーの流れについて説明しました。それ以来、私たちは連絡を取り合うようになりました。まだ実際に会ったことはありませんが、東京マラソンが私たちをつないでくれたのです。
東京マラソンは、レース当日だけ人をつなぐのではありません。国や背景、人生を越えて、人と人をつなぎ続ける存在です。
いつか東京で彼と出会い、一緒に東京マラソンを走り、そしてゴールドリボンという素晴らしいチャリティを通じてつながった子どもたちにも会えることを、私は心から願っています。
だからこそ、東京マラソンは私にとって単なるレースではありません。それは、人と人とのつながりが生まれる場所なのです。