インタビューリレー

東京マラソンを通じて生まれたつながりのストーリー

マラソンで友情に再び命が吹き込まれた 幼なじみとのつながりのストーリー

マラソンで友情に再び命が吹き込まれた 幼なじみとのつながりのストーリー

「東京マラソンを通じて生まれた“人と人のつながり”のストーリー」をテーマにお届けするインタビューリレー 2nd Run。

今回は、マラソンをきっかけに友情の新たな一章を築くことになったGustavoさんの「幼なじみとのつながりのストーリー」を紹介します。

冗談だと思った返事「もし当たったら、一緒に行くよ」

私のマラソンとの物語は、何よりもまず「友情」の物語です。幼なじみのヘイターと私はブラジル南部の都市ロンドリーナで一緒に育ち、幼い頃から強い絆を築いてきました。大人になるにつれてそれぞれ別の街で生活するようになり、年月とともに連絡を取る機会は少なくなりましたが、私たちの友情が消えることはありませんでした。静かに、確かに、再びつながる時を待っていたのです。

大人になり、ランニングと出会った私は「いつかハーフマラソンを完走できたらいいな」と思っていましたが、10kmを走るのがやっとだった私にとって、それはほとんど不可能に思える夢でした。しかし2020年、地元のランニンググループに参加したことで少しずつ成長し、初めてのハーフマラソンを完走。その経験が、「もしかしたらフルマラソンも走れるかもしれない」という勇気を私に与えてくれたのです。

その頃、アボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)の存在を知った私は特に期待することもなく、ベルリンマラソンの抽選に応募しました。ある日、休暇で帰省していたヘイターにその話をすると、彼は迷いなくこう言いました。

「もし当たったら、一緒に行くよ」

冗談だと思いました。でも、彼は本気でした。数カ月後、当選したメッセージを彼に送ると、返事は一瞬で返ってきました。

「一緒に行くよ」

そして、私たちは本当に一緒に行ったのです。それは私にとって人生初の海外旅行であり、二人にとっては、遠く離れていても決して消えることのなかった友情の再燃、再会の旅でもありました。レース当日、ゴール地点からマラソン全体を見守り、その雰囲気に心を打たれたヘイターは、こう言いました。

「僕もマラソンを走る」

本当に大切な絆は決して途切れることはない

ブラジルに戻った後、シカゴマラソンに二人でエントリーして今度はヘイターが自身初のフルマラソンを完走。今では私とヘイターは同じくAbbottWMMのメダルを2つ持っています。

「6大会すべてを完走しよう」(※現在は7大会)

そう誓った私たちは、レース当日に必ず口ひげを生やすことから、遊び心で「The Stache Brothers(口ひげ兄弟)」というチーム名まで作りました。

けれど、この旅には、さらに特別な意味があります。母方の祖父母が日本生まれであるヘイターにとって、日本を訪れることは長年の夢でした。東京マラソンを走ることは、自身のルーツとつながる体験でもあるのです。

だからこそ、私にとっても東京マラソンは「もう一つのメジャーマラソンを走る」以上の意味があります。ランニングによって再び命を吹き込まれた友情の、新たな一章を生きること。初めての海外旅行に寄り添い、私自身がまだ完全に信じきれていなかった夢を信じてくれた友人に感謝を伝える機会。そしてこの旅を、単なる記録やタイムを超えた、かけがえのないものにしてくれた彼への想いを表す機会です。

結局のところマラソンは、ゴールにたどり着くことだけがすべてではありません。大切なのはそのプロセス。友情も同じように、人生の道がそれぞれに分かれても、歩いたり走ったりしながら寄り添ってくれる人の存在がいることを皆さんに伝えたい。ヘイターとこれらの経験を共有したことで、マラソンは単なる体力の限界に挑むものではなく、信頼や感謝、そして共に成長していくことの象徴なのだと気づかされました。

東京マラソンは、そうしたつながりを祝福できる場所です。共通の目的があれば、距離や時間があっても、本当に大切な絆は決して途切れることはないのだと、私たちに思い出させてくれます。

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